「ワクワク感」をもたらす“究極の話し方”
今回は「ワクワク感」をもたらす話し方の中でも、私が「究極」に近いのではと感じるトーク手法を紹介します。
*ここでの「究極」の定義は、それが一番というより「てっぺんに存在するもののひとつ」のようなイメージです。
「ワクワク感」をもたらす「何か」とは?
それは、
「ワクワク感」をもたらすもの=「未来への希望」
という原理原則です。
どんなに極悪人だろうと、どんなに今が幸せな人だろうと、どんなに今が困窮している人だろうと「未来への希望」を感じたとき、同じようにワクワクするのです。
そのため、私が今回紹介する「ワクワク感をもたらす話し方」とは「未来への希望を魅せる話し方」と言い換えることができるでしょう。
では「未来への希望を魅せる話し方」とは、どんなものか?
希望=未来に望みをかけること。
「希望とは?」とGoogle検索すると、こんな表記が出てきます。
本気で「こうなればよい、こうなってほしい」と切願していることを想像すると、人はそこに「希望」を見るのです。
カラクリはこうです。

でも、
ワクワク感が湧くか分かないかの、境目
「こうなればよい」と思う未来を想像しても、ワクワクする人と、しない人に別れます。
その違いを一般的には
- 「本気度合い」
- 「コミットしてるかしてないか」
なんて表現したりしますが。
もっと明確にこの違いを表現するなら、
現実と錯覚するほど「リアルに描写」できているか
が、カギとなってくるんです。
たとえば、
- レモン汁を口に垂らす
- 梅干を食べる
これを想像するだけで、唾液腺が反応する人がいます。
でも、より鮮明に描写するなら、
包丁で半分に切ったレモンをぎゅっと絞り、口の中にレモン汁を垂らす、その様
と言われた方が、唾液腺が反応しやすいはずです。
この言葉でよりリアリティを持って想像した人は、身体が反応するのです。
いや、生々しく想像できたから、脳が反応して、身体が反応しているのです。
これは「ワクワク感」という感情が生まれるときも、同じです。
いかに、相手の脳が反応する表現を多用するか?
ここが「ワクワク感」を生む話し方のキーポイントとなってくるのです。
そして、そのために多用されているトークテクニックが、
- たとえ話
- ストーリーテリング
などだったりするわけです。
話がそれたので、戻しましょう。
- 人は、未来への希望をイメージしたとき、ワクワク感を感じるようにできている
- 希望とは、こうなればよい、なってほしいと願うこと。
- ワクワク感は、生々しくイメージできないと、1ミリも生まれない(or一時的で終わる)
ワクワク感をもたらす話し方「ベネフィットトーク」
では、ここからは、より具体的に「ワクワク感をもたらす話し方」を紹介していきます。
今回紹介するトーク手法は、
ベネフィットトーク
です。
ベネフィット=利益、恩恵
と理解してください。
人は、近い将来生じるであろう「利益や恩恵」をイメージすると、購買意欲が湧く
という脳みその仕組みのひとつです。
おそらくビジネスの世界で生まれた言葉なのでは?と勝手に推測していたりします。
マーケティング用語として捉えている人も多く、それ関連に携わる人なら、常用語となっている言葉です。
そして、もうお気づきの人もいるかもしれません。
ベネフィットをあげつらうことで、人はワクワクする
のです。
仮に、あなたが相手が望んでいる未来を生々しく表現することで、相手の中にワクワク感が生まれるのです。
花が咲く感覚です。
土からぴこっと新芽が飛び出すように。
もしくは、ぱかっと花が咲く感じ。
こちらのイメージの方が近いでしょう。
また、ベネフィットトークが上手ければうまいほど「そこそこ欲しかった」ものが「とても欲しくなる」なんて、変化を遂げることもあります。
だから、日常会話でも、存分に多用してほしいのです。
たとえば、わたしは「多拠点居住サービス」に興味を持っています。
まさに「そこそこの興味」です。
でも、何個かの懸念があり、使いだすまでには至っていません。
(そこそこ=それなりに興味があるということ)
そんな私に、魅力的なベネフィットを提示する人がいたとしましょう。
*前回話した不安を消す方法と共に話されると、効果は3倍増しになります
たとえば、私は
- 大阪での対面を伴う仕事がカバーしきれるかどうか
- 家族が急に病気になったらすぐにかけつけられないのではないか
などを懸念しています。
これが、たとえば
今の仕事やプライベートに、とてもいい影響のある面白い人達との出逢いが待っているだろう。ほぼほぼ確実に
という未来が描けたとします。
私が今とても大事にしており、求めている「出逢い」。
これとベネフィットと絡めて、伝えてくる人がいたとしましょう。
*「多拠点サービスで、素晴らしい人と出逢った」的なエピソードなどw。
そうすると、わたしはとてもワクワクするわけです。
「いい出逢い」を今とても求めているからです。
だから、
- 大阪での仕事を減らしてでも、やる価値があるだろう
- 家族が急に病気することもあるかもしれないが、それをカバーしきれるくらいの何かを得に行こう
と動き出すのです。
そして、その未来の様子が、よりリアルに描写できればできるほど、わたしの中にワクワク感が生みだされ続けます。
なぜなら、わたしは「出逢い」の先に「自分が求める未来」があることを知っているので、その求める未来を運んでくる「出逢い=(多拠点サービス)」が、使いたくて仕方なくなるのです。
ベネフィットを想像する過程で、その対象を「自分の人生に必須」と感じることだって、当然あるわけです。
今は、何かを購入する経緯として紹介しましたが、日常の会話でも同じことが行われていること、あなたなら気づいたのではないでしょうか?
よくベネフィットが使われる日常の場面は、
- 何かに誘うとき
- 提案するとき
- 諭したいとき
- 教えたいとき
です。
総じて言うなら「自分の主義主張を伝える」と言えるでしょう。
恋愛やコミュニケーションで、自己主張って必須です。
だから、ベネフィットトークがあると、コミュニケーションがとてもラクになるのです。
だって、相手に「自分の主張を理解して貰える・受け入れて貰える」ことができるようになるのですから。
ベネフィットトークをするときのキーポイント×2つ
- (大前提として)相手が「それなりに望んでいる未来」を描写すること
- 脳に現実と錯覚させるために、ありとあらゆる表現を使って「リアリティ」を持たせること
です。
① 大前提として、相手が「それなりに望んでいる未来」を描写すること
ここを勘違いしている人がとても多いように思います。
ベネフィットトークは、そもそも「それなりに望んでいる人」に効果があるのであって「ちょっとだけ興味がある」程度の人には、さほど効果がありません。
強引に「これがあなたに必要な未来なんだ」とロジックを組み立て、提示することもできます。
でも、結局本当に欲しい未来でなかったりするため、その人の人生を不幸にしてしまうし、これが恋愛なら「相性の合わない人」を寄せつけてしまいます。
そのため、相手が「それなりに望んでいる未来」をよりリアルにあなたの言葉で描写してあげることが、とても重要です。
たとえば「結婚に興味が無いわけではないが、今すぐには考えていない人」に、あなたが結婚したいからと言って、結婚のベネフィットをあげつらうこともできるでしょう。
そして、その人は仕事の量を減らし、結婚に踏み切るかもしれません。
でも「バリバリ働きたかった」「ひとりを謳歌したかった」という願望は、ずっと残ったままになるわけです。
そして、結婚後、揉めたりするわけです。
だから、繰り返しになりますが、ベネフィットトークの健全な使い方は、相手が「それなりに望んでいる未来」をあなたの言葉で描写して、より気持ちを高めることだということ。
忘れないでくださいね。
ベネフィットトーク=もともと相手の中にある「感情」を高ぶらせるトーク
です。
② 脳に現実と錯覚させるために、ありとあらゆる表現を使って「リアリティ」を持たせること
さらに、相手が「望んでいる未来」を描写するために、ありとあらゆる表現を使ってリアリティを持たせていきます。
そのためによく使われる手法が、
- たとえ話
- 五感を刺激する言葉(オノマトペ)
だったりします。
他にも
- 言葉の言い換え
- 立て続け
- エンドベネフィットまで視座をあげる
- 相手に語らせる
など、ベネフィットトークにまつわるテクニックは、多くあります。
たとえ話については、もう周知されたトーク手法だと思いますので、詳しい解説はここでは省きます。
あえて、たとえ話の秘訣をひとことで伝えるなら、
相手の日常によく出てくる「なにか」に置き換えること
です。
たとえば、わたしなら「絵を描く」「ビジネス」「旅行」「身体の仕組み」「パソコン関連」などに、ロジックを置き換えると、途端にリアリティを帯びてきます。
それが「スポーツ」の人もいるでしょうし「山登り」の人もいるでしょう。
たとえ話が上手い人は、普段から相手の日常をよく見てるってことです。
たとえ話についても、また詳しく話せるといいですね。
どこかの機会で。
たとえ話って、本当に便利なトークテクニックですからね。
さらに、五感を刺激する言葉(オノマトペ)についてです。
これは、比較的カンタンです。
たとえば、温泉に誘うとき。
「温泉でも行こうよ。近場の岩盤浴でもいいし。美容にいいらしいよ」と誘うより、
「温泉でも行こうよ。岩盤浴でもいいし。汗いっぱいかいて、肌つるつるになるらしいよ」なんていうと、肌に敏感なひとは反応するでしょうし。
「露天で脚伸ばせば、仕事の疲れ、ぷわーって吹っ飛ぶよきっと。身体がね、ふわっと軽くなって、思考がクリアになるらしいよ(笑)」なんていうと、リフレッシュをしたい人は反応するかもしれません。
わたしなら「ふわっと身体が軽くなって、翌日のめっちゃアイデア湧き出るで。泉のように」なんて言われたら「行くいくー」となりそうです(笑)。
次回予告
次回は、最終回です。
- 「好き」を生むReason whyの話し方・キーポイント
- 沢山の「Reason why」を話し、沢山の「好き」を生もう!
を話していきますね。